日浦 「セッピカッター・ウイングⅡ」

気流と太陽熱で雪庇を防ぐ

2段のルーバーの高さは30㎝

昨冬の札幌市内の記録的な豪雪の記憶が残るなか、積雪期を前に雪庇対策商品への注目度が高まっている。
高橋アルミ工業(札幌市)が製造する「セッピカッター・ウイングⅡ」。販売代理店の日浦(同)によると、4月から10月までの問い合わせ件数は前年同期に比べ1.5倍に増えているという。

雪庇は屋根や屋上を風が一方向に吹くことで、風下に積もる雪が屋根からせり出して塊になる状態をいう。放置すると自重で崩落するまで際限なく大きくなる。
ウイングⅡは、2段の流線形アルミ製ルーバーを屋根の庇部分に設置する。下向きの羽の間を通る気流が建物に付着する雪を吹き飛ばし、雪庇を形成しにくくする。中空構造で黒色のため太陽熱がルーバーに伝わりやすく、製品本体の上部に積もった雪を溶かす。2段のルーバーの高さは30㎝と低く、建物の外観を損なわない。用途によっては3、4段に変更することも可能。

セッピカッターにはウイングⅡより安価な「デルタウイング」「T―18ウイング」もある。いずれの商品も集光板によって太陽光を熱に変換して雪を溶かすのが特長。壁面に発生した暖気流を雪庇内部に取り入れて雪庇内部から溶かすほか、集光板の上部の刃先によって雪の自重で雪庇を切れ落とす機能も。デルタウイングは集光板がT―18ウイングより大きく、豪雪地帯に設置するケースが多い。

日浦では、人通りが多い出入口などに面した建物の屋根にウイングⅡを設置し、他の屋根にはデルタウイングやT―18ウイングを設置するなど、用途や目的によって使い分けることを提案している。

1mあたりの価格(税別)は、ウイングⅡが8万6000円、デルタウイングは6万9000円、T―18ウイングは3万9000円。
問い合わせ先は日浦。電話011(864)0177。