【特集】2024年 工務店は何をすべきか①

高性能リノベ時代を迎える

2024年は北海道の住宅業界にとってどんな年になるのか。新設住宅着工戸数の減少が止まらない一方で、ゼロカーボンへ向けて良質な住宅ストックの普及が喫緊の課題になっている。その中で工務店はどこを目指すべきなのか。その一つの方向性として既存住宅の性能向上改修があるのは間違いないだろう。ソトダン21は1月19日、「2024年住宅産業大予測&高性能リノベ時代に備えて」と題し、会員以外も参加できるオープンセミナーを開催した。講演を行った新建新聞社社長の三浦祐成氏、東大大学院工学系研究科准教授の前真之氏、北海道科学大名誉教授の福島明氏の話を要約して紹介する。

住宅産業大予測2024


新建新聞社 代表取締役社長 三浦祐成氏
やり方を磨く年にする

今年は、「やり方」の年かなという風に思っています。やり方を磨く年、それからやり方とあり方を一致させる年だと私なりに思っています。
三重県の工務店ハウスクラフトさんの事例を紹介します。現場見学会の案内状なのですが、丁寧な案内状をPDFで作って送っています。担当者の名前があって、QRコードが付いています。
お客様がこのQRコードを読み取って開くと、「この現場を案内する担当は私です。自分はこんな人間です。お待ちしていますのでよろしくお願いします」と自己紹介の動画が流れます。そんな「やり方」です。
これはお客様の立場からするとすごく良いと思いませんか。初めて現場見学会に行く時ってドキドキします。そこに自分の担当がすでに付いていて、動画で自己紹介してくれて、しかも丁寧にお待ちしていますとなると気分がいいですよね。
現場見学会一つでも「やり方」はまだまだ工夫できます。まさにDXな話ではありますが、とてもヒューマンな話です。

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