広がる女性活躍の場

日本の人口は女性のほうが男性より多い―。総務省の人口統計によると、昨年10月1日現在、女性の割合は51.3%で半数以上を占めている。人口動態調査に基づく出生数はここ数年、女性100に対し男性105で推移しているので、統計上は女性の生命力の強さが証明されている。

その女性が立ち入ることができない場所がある。古くから霊場、寺社、斎場など、宗教や伝統に関わるところが多く、今話題の大相撲の土俵もその類だろう。

トンネルや鉱山でも長い間、女性の坑内への立入りが禁止されてきた。「危ないから」だけでなく「山の神が怒る」というのが理由とされてきたが、2007年に施行された改正労働基準法によって妊産婦などを除く女性の坑内労働が解禁された。

さて、わが伝統の住宅建築業界はどうか。地鎮祭への女性の参加は当たり前だし、古今東西、住宅建築現場の「女人禁制」は聞いたことがない。それどころか、リフォーム営業、インテリアコーディネーターなど女性が活躍する職場は多く、ヘルメット姿の女性はいかにも頼もしい。

政府が掲げる「女性活躍推進」の旗印を見るまでもなく、女性が上がる「土俵」は確実に広がっている。(G)