ダイキン エアコンの効果的な節電方法を検証

ダイキン工業(大阪市)は4月24日、エアコンの効果的な節電方法により削減できる電気代を4つのケースで調査した結果を発表した。

4月23日に気象庁が発表した5月から7月にかけての3ヵ月予報によると、北海道を含め全国的に気温が高くなる見込み。さらに政府による電気料金の負担軽減措置は5月使用分で終了する上、北海道電力など大手電力10社は電気料金の値上げを予定している。一層の節電が求められる夏を前に、同社は以下の①から④の4つのケースで効果的な節電方法について検証。併せて、⑤の睡眠時の暑さ指数(WBGT)の観点からも調査を実施した。

①エアコン冷房の風量設定を「弱」と「自動」にした場合、どちらが節電か。
②風向設定は「ななめ下」と「水平」、どちらが節電か。
③設定温度を「1℃下げる」のと、風量設定を「強」にするのとではどちらが節電か。
④室外機の上に濡れタオルを「設置する」のと「設置しない」のとではどちらが節電か。
⑤夏の睡眠時のエアコンは「切タイマー運転」と「つけっぱなし運転」どちらが快適か。

①は、エアコン冷房の風量設定を「弱」と「自動」でそれぞれ午前8時から午後7時まで稼働し、消費電力量を計測。1ヵ月あたりの電気料金を比較した。「弱」の場合の消費電力量は3.85kWh、「自動」は2.79kWhで、「自動」の方が消費電力量が約3割少なかった。1ヵ月の電気代に換算すると、「自動」は「弱」に比べ約990円少なかった。

②のケースでは、エアコンの冷房運転時の風向「ななめ下」と「水平」でそれぞれ午前8時から午後7時までの消費電力量を比較。「ななめ下」が3.76kWh、「水平」が2.77kWhとなり、「水平」の方が消費電力量が約3割少ない。1ヵ月の電気代に換算すると、「水平」は「ななめ下」と比べて約930円少なかった。

③のケースでは、真夏の午前8時から午後7時までのうち、午後1時から3時の間のみ「設定温度を1℃下げる」場合と風量設定を「強」にする場合を比較。設定温度を「1℃下げる」と1.13kWh、風量「強」にすると0.52kWhとなり、「強」は「1℃下げる」場合と比べて消費電力量が約半分になった。これにより、日中11時間の電気代は「強」が「1℃下げる」よりも19円削減できた。

④のケースでは、エアコンの室外機の上に濡れタオルを設置すると節電になるという噂について検証。消費電力量は濡れタオル「あり」が3.87kWh、「なし」が2.77kWhとなり、「なし」の方が消費電力量が約3割少ない結果になった。1ヵ月の電気代換算では、「なし」の方が約1,020円少なかった。

⑤では、夏場の睡眠時に「つけっぱなし運転」にした場合、睡眠時の暑さ指数(WBGT)は一般的に危険性が少ないと言われる23℃ほどに抑えられた。一方、「タイマー運転」の場合は、明け方には熱中症への警戒が必要とされる25℃近くにまで達した。

以上の結果から、風量は「自動」、風向は「水平」、「温度を下げるより風量を上げる」。室外機の濡れタオルは「なし」が節電に効果があることが分かった。また、睡眠時の切タイマー運転より、朝まで「つけっぱなし」の方がWBGTの観点から快適であるとした。