寸言乱言(第688号)

▽まさか「R」とは思わなかった。M、T、S、Hの次は「Kかな?」と予想された方も多いだろう。新元号である。いよいよ5月1日から「令和」の時代が始まる。

▽住宅業界向け専門紙に「令」の文字はほとんど使われないと言っていい。まれに「建築基準法施行令」など法律用語の一文字として登場するが、新元号の典拠となった万葉集に歌われた「令月」のように、「良い」という意味に使われることは、まずない。

▽安倍総理は4月1日夜のNHK番組で「令」の意味について、「命令を思い浮かべるとの批判もあるが、令嬢、令息のように『良い』『すばらしい』という意味に解釈している」と説明した。新しい時代は「令」の文字が親しみを込めて使われ、明るい時代になることを期待したい。

▽広辞苑をめくっていたら「巧言令色」の四字熟語を見つけた。意味は「口先がうまく、顔色をやわらげて人を喜ばせる」とある。この使い方だけはやめてほしい。