寸言乱言(第675号)

最近、新聞や雑誌で「SDGs(エスディージーズ)」という単語をしばしば見かけるようになった。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」の略称で、30年までに達成すべき17項目の国際目標を掲げている。

何やら壮大な話だが、外務省は「日本SDGsモデル」8項目を策定し、認知度向上のための広報・啓発活動に力を入れている。このうち「省エネ・再エネ」や「健康・長寿の達成」などの項目は住宅業界も大いに関係しているといえそうだ。

「ヒートショック」を代表例に昨今、住宅性能と健康の関係が注目されている。セントラルヒーティングが普及している道内の住宅は全国的にもヒートショックによる死亡率が低い反面、肺がんの死亡率が高い理由として住宅の気密性能との関係を指摘する学者も。

国土交通省は、来年度予算の概算要求に「スマートウェルネス住宅等推進事業」を盛り込み、高齢者等の居住の安定確保や健康の維持・増進を図る事業を支援する。

化学物質過敏症に端を発した「シックハウス」問題は法的規制もあって沈静化したが、省エネ住宅は果たして「健康住宅」といえるか。30年までに何らかの科学的根拠を見出したいものだ。(G)