寸言乱言(668号)

5月18日、将棋の史上最年少プロ棋士、藤井聡太六段が史上最年少の15歳9ヵ月で七段に昇段した。61年ぶりの記録更新という快挙。中学生でプロになった過去5人の中でも最速の1年7ヵ月での到達だそうだ。

幼少期には立体型パズル「キュボロ」という木製知育玩具で遊び続けていたとか。天才を育てた同製品は予約待ち状態。木目のある将棋盤や駒もよく売れているらしい。

日本の戸建住宅の9割近くは木造だ。木は土台や柱、梁、筋かいなど木造住宅を支える主要な躯体、人間になぞらえれば骨格を担う。環境にも優しい重要な素材だ。

この新聞も木が原料。藤井七段は紙面を隅々まで読むことでも知られている。過去のインタビューで「僥倖」「望外」など中学生とは思えない語彙力にも注目を集めた。新聞も木育の一つか。森の恵みに感謝。木目をなぞるようにとは行かないが、温もりある情報を届けられたらと思う。