NCN 非住宅版SE構法の瑕疵保証制度を10月に開始

木造非住宅市場への参入をサポート

保証制度の流れ

木造耐震構法のSE構法を全国展開するエヌ・シー・エヌ(東京都)は、構造躯体の瑕疵保証制度「非住宅版SE構法構造性能保証制度」を10月1日より提供する。一般的な木造住宅に比べ設計の難易度が高く、施工品質を安定させるのが難しい木造非住宅の構造品質を保証し、木造非住宅市場へ新規参入を検討する工務店や中小建設会社をサポートする。

保証対象の物件は①SE構法で建設された建物②構造耐力上主要な部分および基礎③住宅以外の用途④4階建以下⑤3000平方メートル以下――の五つを満たすもの。保証期間は完成引き渡しから10年間。保証金額は1棟あたり最大1億円。保証対象部位は屋根裏、小屋裏、架構材、床板、柱、耐力壁、土台、基礎、それらを結合する金物。

保証対象となる現象は①水平部材について1/120以上の傾斜が生じている②通常荷重下において床梁などに1/500以上のたわみが生じている③柱などの鉛直部材において1/120以上の傾斜が生じている④通常荷重下において小屋梁などに1/250以上のたわみが生じている――の四つ。保険料は構造部材費用の1%となる。

木造非住宅の建築市場は拡大傾向にあるが、物件規模に比例して請負金額が高騰し、供給された部材の瑕疵や品質に起因するトラブルリスクの増大が問題視されている。非住宅物件には住宅の「瑕疵担保責任保険制度」のような保険制度が存在しないことから、瑕疵が発生した場合に負う責任が大きいという課題があった。同社は1998年からSE構法を採用した住宅向けの「SE住宅性能保証」を提供してきたが、新たに保証の対象範囲を木造非住宅物件に広げることで、工務店や中小建設会社の非住宅木造市場への進出を後押しする。