北総研防火木外壁の大臣認定で

2×4工務店から歓迎の声

外装材に木材を使った「北総研防火木外壁」の「枠組PF仕様」が、建築基準法に定める防火構造の国土交通大臣認定を取得したニュース(本紙3月10日号既報)について、道内で2×4工法を採用する工務店から歓迎の声が上がっている。

2020年の持家着工戸数に占める2×4工法の割合が55.1%と道内35市でトップの帯広市を中心とした工務店グループ、十勝2×4協会の竹市真巳会長は、「今まで木外装は防火規制を受けない部位に限定して使っていたが、今後は使用範囲が広がり、住宅のデザイン性も高まる」と期待する。

枠組PF仕様は、(地独)北海道立総合研究機構建築研究本部北方建築総合研究所(北総研)が研究成果の一部をフェノールフォーム協会に技術移転したもの。今回、付加断熱材にフェノールフォーム断熱材(PF)を使った仕様で、枠組壁(2×4)工法を対象に同協会(申請者・旭化成建材)が大臣認定を取得した。在来工法については昨年、フェノールフォームを含め主要な断熱材が認定を取得しているため、今後、工務店は建築工法に関わらず、可燃材料である木材を外装材として自由に使えるようになった。

旭化成建材の担当者は、「フェノールフォーム断熱材が他の断熱材に先がけて認定を取得したことで、木外装の住宅の付加断熱にネオマフォームを使った住宅が増える」と話す。

2×4仕様の外壁構成は、在来工法で認定を受けた柱(105㎜×105㎜以上)と間柱(30㎜×105㎜以上)が枠組壁工法構造用製材(38㎜×89㎜以上)に置き換わるだけで、内装材や充填断熱材(省略可能)、構造用面材などは在来工法と変わらない。メーターモジュールに対応できる点も同じだ。

ただ、現時点で在来工法では使えないネオマフォーム100㎜と熱伝導率が0.018W/㎡Kのネオマゼウスが2×4仕様では使用できる。旭化成建材によると、在来工法でも今年5月頃には使えるようになる予定という。

大臣認定を取得した外壁の認定番号は、PC030BE―3908(1)~(4)。北総研は「木材仕上げには高い人気があり、道民ニーズに対応できるほか、道産木材の利用を促し、道内産業の振興と森林資源の循環に貢献できる」と強調する。

今後は他の断熱材についても、2×4仕様の大臣認定を取得する動きが出てきそうだ。

問い合わせ先の電話番号は、北総研が0166(66)4218、旭化成建材は03(3296)3530。