リフォーム特集 伸びゆく市場と最新設備③

補助制度から事例まで


リフォームでニアリーZEH


マルサ佐藤建設(函館市)の取組み


マルサ佐藤建設(函館市)はこのほど、フルリフォームでニアリーZEHを達成した住宅を函館市内に竣工した。
リフォームした住宅は築24年が経過した2×4工法の戸建住宅。リフォーム前に実施した性能検査では、UA値0.66W/㎡K、C値が1.3㎠/㎡だった。UA値の測定にはJ建築システム(札幌市)の「JJJ断熱診断」を利用した。
リフォーム後に測定した性能値はUA値0.24W/㎡K、C値0.3㎠/㎡と大幅に向上した。そこへ6.2kWの太陽光発電パネルと5.9kWの蓄電池を設置した。
工期は約3ヵ月で新築と同程度。長期優良住宅認定とBELSのほか、長期優良住宅化リフォーム推進事業の高度省エネ型で250万円の補助金を取得した。
暖房は床下に寒冷地向けエアコンを1台設置。換気は住宅では珍しい第二種換気を採用した。
第一種熱交換換気は、定期的な清掃が必要で、設置場所も大きくとることになるため「メンテナンス性に優れ、自然な気流になる第二種換気を導入することを施主に提案した」という。
気密性能を確保するため、土台の隙間が見えない部分にも念のためウレタンで目止めを施すなど「細心の注意を払った」と同社の佐藤健太郎専務。
床下へ給気した外気を、エアコンの空気と混ぜてガラリを通して全室へ送る。リフォームのため、ガラリの設置個所に制限があり、大きさや口数、口径の計画が非常に難しかったという。
太陽光発電と蓄電池を導入したことで、リフォーム前に比べ光熱費が減少し、施主にも喜ばれた。「リフォームで性能向上を行い、使える範囲で創エネを導入するのが最適」と話す。