リフォーム特集 伸びゆく市場と最新設備①

補助制度から事例まで


「子育て世帯向け」新たに補助対象


長期優良住宅化R 新年度予算は45億円


■補助対象が拡大に

国土交通省は2月4日、今年度補正予算における「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の実施を発表した。
今回の補正予算事業より子育て世帯向け改修工事を新たに補助対象に追加するとともに、若者・子育て世帯、または既存住宅の購入者が改修工事を実施する場合などに補助限度額の引上げを行う。
補助対象はリフォームを実施する既存住宅。戸建、共同は問わない。事務所や店舗など住宅以外の建物は対象外。
補助対象となる工事は①特定性能向上リフォーム②その他性能向上リフォーム③三世代同居対応改修④子育て世帯向け改修――の4つ。このほかインスペクション等の費用も補助対象になる。
補助金額はリフォーム工事実施後の住宅性能に応じて異なる。一定の性能向上が認められる場合は1戸あたり最大100万円、長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合は同200万円、長期優良住宅(増改築)認定のうち、さらに省エネルギー性能を高めた場合は同250万円をそれぞれ補助する。
補助率は補助対象費用の3分の1。三世代同居対応改修工事、若者・子育て世帯または既存住宅の購入者による改修工事は、1戸あたり50万円を上限に補助金額を加算する。
補助要件として、①リフォーム工事前のインスペクションの実施②リフォーム工事後に一定の住宅性能を確保③リフォーム工事の履歴と維持保全計画の作成――の3点が求められる。

 

■省エネ対策が必須

2月には新年度当初予算事業の概要が公表され、予算案の額は45億円とした。
今年度当初予算事業および補正予算事業からの変更点は①特定性能向上工事に省エネ対策を必須化②事業者サイトへの書式の公表③買取再販業者の補助金還元先の変更④事前採択タイプ「良好なマンション管理」の別事業化――の4点を掲げた。
①は、改正建築物省エネ法が成立し、既存住宅の省エネ化のさらなる推進が必要なことを受け、評価基準型の工事後に満たすべき性能要件について、 現行の「劣化対策」「耐震性」に加え、選択項目だった「省エネルギー対策」を必須とした。
②は、事業者が使用する標準的な契約書および見積書の書式を公表することを要件に追加した。
③は、買取再販業者が発注者となって長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金の交付を受けたとき、補助金の還元先を現行の「住宅の購入者」から「買取再販業者」に変更した。
④の「良好マンション管理」は、新年度に別事業として創設する「マンションストック長寿命化等モデル事業」に統合するため、長期優良住宅化リフォーム推進事業での募集を行わないとした。
通年申請タイプ(評価基準型、認定長期優良住宅型、高度省エネルギー型)の事業者登録受付は4月上旬から11月下旬まで。交付申請受付は、5月上旬から12月下旬まで予定している。
事前採択タイプ(提案型、安心R住宅)は4月上旬〜5月中旬に公募を行い、7月上旬から12月下旬に交付申請を受け付ける。
既存住宅の流通・リフォームの促進と性能向上に関する国の施策は今後ますます拡充しそうだ。