国交省、建設現場での対応を通知

的確に工事の一時中止を

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。今のところ道内の建築現場での感染は発表されていないが、もしも現場で感染者が出れば工事中断は避けられず、由々しき事態だ。
しかし、数社の工務店関係者に対策について聞いたところ、「アルコール消毒液を置いている」がせいぜいで、職人にマスク着用を義務付けている現場もなかった。
全国では、千葉県や熊本県において現場の作業員に感染者が出ている。事態を重く見た国土交通省は、2月25日に「施工中の工事における新型コロナウイルス感染症の罹患に伴う対応について」と題し、公共工事における対処方法を都道府県や建設業者団体、民間発注者団体に通知し、公共工事以外の現場でも同様に適切な対応を図るよう促した。
対処方法は①感染予防の徹底②感染者と濃厚接触者の自宅待機③工期の見直し④工事の一時中止――の4点を挙げている。

①は、アルコール消毒液の設置や不特定の者が触れる箇所の定期的な消毒など、感染予防の対応を徹底すること。すべての作業従事者等の健康管理に留意することとした。

②は、作業従事者等に感染者があることが判明した場合、速やかに発注者に報告し、連絡体制をつくること。保健所の指導に伴い、感染者本人と濃厚接触した疑いのある者を自宅待機にするなど適切な措置が講じられるように周知徹底することとした。

③は、感染者が作業を出来なくなるために、受注者から申し出があった場合、必要に応じて工期の見直しや工事料の変更をすること。なお、特段の事情がない限り、受注者の責によらない事由として取り扱われるべきものとした。

④は、公共工事標準請負契約約款第20条第1項において、「天災等により工事目的物等に損害を生じ、又は工事現場の状態が変動したため、請負者が工事を施工できないと認められるときは、発注者は、受注者に工事の一時中止を命じなければならない」とされている。感染者があった影響で、現場の施工を継続することが困難な場合、的確に工事の一時中止を指示することとした。
感染予防が一番の対策だが、感染者が出た場合の連絡網等のマニュアルも準備しておきたい。