建設技能の継続的な学び直し等のモデル事業選定

国土交通省は、3月8日、平成29年度補正予算「中小・中堅建設企業等の建設リカレント教育等支援事業」における支援対象として、7案件を選定し発表した。

国土交通省が実施する「中小・中堅建設企業等の建設リカレント教育等支援事業は、地域社会を支える中小・中堅建設企業等による、生産性向上のために必要とされている技能の効果的・継続的な学び直し・訓練等の実施に向けたモデル性の高い取組に対して支援を行い、先進的な事例の水平展開を行うことにより、建設現場で直接施工を担う建設業従事者一人一人の生産性を高め、中小・中堅建設企業等の「生産性革命」を実現することを目的とした事業。

本事業の一環として、2月14日より支援対象案件を公募しており、モデル性の高い7案件を選定されたもの。技能の効果的・継続的な学び直し・訓練(建設リカレント教育)等に関するモデル性の高い取組に対して、計画実行段階の経費の一部(一案件あたり上限300万円目処)が支援される。

<支援事業一覧>
*一般社団法人群馬県建設業協会
実践的なICT技術の全工程を習得できる研修と継続的なフォローアップ研修が一体となった「ICT土工研修」を実施するとともに、来年度に向けて研修カリキュラムを更新し、地域におけるICT技術の普及を実現する。

*一般社団法人利根沼田テクノアカデミー
訓練修了生及び中堅の経験者を対象とした技能教育のための動画を作成するとともに、動画再生用Web サイトを活用し、効率的な訓練が可能となる環境を整備する。

*VR技術等を用いた建設リカレント教育を試行する事業連携体
VR(Virtual Reality:仮想現実)やMR(Mixed Reality:複合現実)等の技術を用いたICT建機の実習用コンテンツを制作し、仮想の技能訓練を実現することにより、実機による研修を補完する効率的なICT土工研修の実施を目指す。

*京都職人育成コース創設計画推進体
廃校施設を活用し、若手職人を対象とした、大工・左官・塗装・防水・内装工事等に係る教育訓練機関を設立し、伝統的な建築技術を高めると共に、多能工育成を柱とした先進的な専門工事のあり方について検討し、その確立を目指す。

*岡山県土木施工管理技士会
土木施工管理技士等の中堅技術者を対象に、品質・原価・工程・安全管理等の生産性向上の土台となる知識習得のための講習プログラムを策定し、継続的に講習を実施することにより、地域の中小・中堅建設企業の生産性向上を目指す。

*一般社団法人職人育成塾
職人育成塾を卒塾し、内装仕上げの職人となった技能士を対象としたカリキュラムを構築し、継続的な教育を実施することにより、離職者防止とともに、個々の技能のさらなる向上を目指す。

*けんちくけんせつ女学校準備室
建築士等の有資格者である主婦等を中心に、技術の再教育、ワークシェアリングのやり方、地域工務店等へのインターンシップをカリキュラムに組み入れた「けんちくけんせつ女学校」を開設し、建設分野で働く女性の増加を目指す。