【道建築技術協会】平井卓郎・北大名誉教授が講演

「構造と耐久性を総合的に捉える」

(一社)北海道建築技術協会は11月28日、「木造住宅の耐久性に係る技術セミナー」を札幌市内で開催した。

北海道大学の平井卓郎名誉教授が「施工不備や劣化の実質的影響度は、その位置や全体構造によってどう違うか」と題して講演した。

平井氏は木造建築の構造耐力と耐久性について、構造耐力は経年劣化により低下することを解説。耐久性に対する考慮の足りない構造設計や施工、補強を行うと、新築や改修時の構造耐力が高くても、その後の劣化が進みやすくなり、「時間経過により実質的安全性が大きく低下する危険性がある」と指摘した。

適切な構造設計には、断熱・気密、壁内・床下・小屋裏換気等複合的な検討が重要とし、「木造建築物の長期構造耐力と耐久性は一体になっている」と解説した。また、既存建物の検査では「構造と耐久性を別の項目で考えるのではなく総合的な視点で捉えるべき」と呼びかけた。

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