第4回建築物LCA制度検討会
LCC算定義務化を議論
2025/8/30
国土交通省住宅局が事務局を務める「建築物のライフサイクルカーボンの算定・評価等を促進する制度に関する検討会(建築物LCA制度検討会)」は8月4日、第4回検討会を開催した。2028年度をめどに建築物LCA(ライフサイクルアセスメント)制度の開始を目指して議論を進めている。
建築物LCAは、計画から解体までのライフサイクル全体での環境負荷を算定・評価する取り組み。今回の検討会では、建築物LCA制度を段階的に導入し、大規模オフィスビルから開始して住宅や公共建築へ拡大していく方針が共有された。
また、制度設計において、国際基準との整合性や、ライフサイクルカーボン削減の取り組みをどう評価するかの手法、制度を履行するための支援策の在り方、算定結果の表示の透明性などが主要論点となった。今後は中間取りまとめを経て、算定制度の具体的な設計を進める見通し。
■制度設計の基本方針
制度は、即時にライフサイクルカーボン削減義務を課すのではなく、まずは大規模オフィスビルを対象としてライフサイクルカーボンの算定を義務化し、知見を蓄積した上で住宅や公共建築物に対象を広げる、段階的導入が想定する。
また、コストと削減努力のバランスについて、オフィスビルでの知見の蓄積を通じて効率的な方法を探ることや、簡易算定法の導入を検討しつつ、削減努力を反映できる制度設計を図る方針を確認した。さらに、数値による定量評価と、努力を評価する定性的評価を併用し、維持管理や運用改善の取り組みも評価対象とすることも検討するとした。
■責務の明確化と役割
ライフサイクルカーボンの算定について、建築主、設計者、施工者、素材・建材・設備等の製造事業者など多くのステークホルダーが関わるため、その役割の明確化が必要になるとして、建築主にライフサイクルカーボン算定の責務を課す方針が示された。
一方で、建築主等がライフサイクルカーボンを把握し、脱炭素化を進めるためには建材製造事業者等の脱炭素化の取り組みが可視化され市場で評価されることが重要と指摘。建材・設備メーカーは、製造時CO2等排出量を原単位としてまとめた排出量データの整備を担い、設計者・施工者には算定方法や削減策の知見を蓄積し、設計・施工上の工夫を行うことを求める。
これらにより建築主がライフサイクルカーボン算定を円滑に実行できる基盤を整備し、将来的な削減行動につなげる狙いとした。
■今後の課題について
あらゆる建築物に一律の基準値設定は難しく、当面は目安値を設定し知見を蓄積する方針が述べられた他、エンボディドカーボンとオペレーショナルカーボンのバランスに配慮し、エンボディドカーボンの数値が独り歩きしないよう注意を払う必要性も指摘された。
また、Scope3との整合性や国際基準との比較を明確に表示すること、CO2排出量の多い建材への重点対応、算定届出を建築確認後から着工前までに行う制度設計などについても議論された。
算定結果の表示方法については、CO2排出量の数値に加え、多段階評価(星評価など)も検討対象とされた。使用データの種類、例えばEPDかCFPか、第三者検証の有無などを明示することも重視された。
