北海道の地震確率上昇 全国地震動予測地図

地震調査研究推進本部地震調査委員会は、全国地震動予測地図を更新し「全国地震動予測地図 地図編 2018年版」として公表した。

同委員会は2014年12月に、2011年東北地方太平洋沖地震の発生を受けて指摘された確率論的地震動予測地図の諸課題のうち、特に大規模・低頻度の地震を考慮するための検討等に重点的に取り組み、その成果をまとめて「全国地震動予測地図2014年版~全国の地震動ハザードを概観して~」を公表。

2015年以降は、毎年公表される新たな長期評価に基づいて、全国地震動予測地図を更新し公表。2017年12月には新たに「四国地域の活断層の長期評価(第一版)」および「千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第三版)」が公表されたことから、この間に得られた新たな知見に基づいて全国地震動予測地図を更新し「全国地震動予測地図 地図編 2018年版」として公表した。

全国地震

(図)確率論的地震動予測地図:確率の分布(出所:地震本部)
 今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率(平均ケース・全地震)

「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」の地図では、北海道南東部や仙台平野の一部、首都圏、東海~四国地域の太平洋側および糸魚川―静岡構造線断層帯の周辺地域などの確立が高くなった。

2017年版に比べて北海道では、千島海溝沿いで発生するプレート間巨大地震および超巨大地震(17世紀型)を新たに評価したことにより確率が増加した。

北海道内の地域振興局における「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」は、2017年版から2018年版で上昇している。日高は65%から70%、釧路は47%から69%、根室は63%から78%へと上昇した。