竹中工務店 エアロゲルガラスパネルを共同開発

厚み約45㎜、熱還流率0.6W/㎡K

竹中工務店(大阪市)と新光硝子工業(富山県)はこのほど、エアロゲルガラスパネルを共同開発した。

エアロゲルは、1931年に発明された透過性と優れた断熱性を持つ軽量な素材のこと。宇宙服や防寒着、断熱材などに使用された例があり、国外では窓への利用例もある。しかし、開発にコストがかかることや、長期の性能維持に課題があり普及が進まなかった。

今回開発されたエアロゲルガラスパネルは、ガラス内部の空気圧を一定にすることで、透光板のふくらみによるゲル層の沈降を防止し、面状のエアロゲル層を長期間維持することが可能となった。厚みは約45㎜、熱還流率は0.6W/㎡K。

さらに、エアロゲルの表面に白色粒子を付着させ、その量を変えることで透過性にバリエーションをもたせた。これにより、日射を抑制することが可能となり、最適な室内環境を実現できる。また、夜間は室内照明の光が外にもれ出し意匠性が向上する。

竹中工務店の北海道地区FM(ファシリティマネジメント)センターで実証施工を行い、5通りの透光性のバリエーションを採用。ブラインド付き高性能ガラスを採用した場合のオフィスゾーンと比較して10~20%のエネルギー削減を確認した。

同社は23年までに、従来の既製品サッシに設置できる厚みのガラスパネルを開発し、市場への訴求を目指す。