東川町「KAGUデザインコンペ」受賞作を製品化へ

上川管内東川町は、建築家の隈研吾氏と連携して実施した「『隈研吾&東川町』KAGUデザインコンペ」の受賞者の作品を製品化するプロジェクトを開始する。同コンペは建築と家具が育む新しい丁寧なライフスタイルを発信することを目指し、昨年初めて実施された。

「木の椅子のデザイン」をテーマに、30歳以下の学生を対象に2020年12月から作品を募集。昨年6月に受賞作品が決定した。応募数は事前登録件数が1876件(41カ国・地域)、作品提出件数が834件(36カ国・地域)だった。その中で最優秀賞の隈研吾賞を受賞したのは東京芸術大2年(受賞時)の杉原有香氏。

杉原氏の作品は審査員の間で「餅」というニックネームが付けられた「Grasp大地をつかむ椅子」。木製の背もたれと変形可能なビーズクッションをうまく組み合わせた斬新なデザイン。底面が柔らかく変形するため、従来の椅子が置けないような起伏のある地面にも設置して座ることができる。木の椅子を置くことが難しい畳や傾斜のある床にもフィットする。

審査委員長の隈氏は「色々な作品の中でも一番『東川』という場所を意識したもの」と評価した。

製品の提供方法は同町のふるさと納税返礼品。杉原氏の作品に加え、優秀賞の一つに選ばれた柳澤星良氏(武蔵野美術大4年・受賞時)の作品を計画している。個数は未定。製品化するにあたり、実際の生活に適応した安全性などが考慮されるため、受賞時のデザインからは変更する場合がある。

現在、受賞者と同町の家具職人の顔合わせが進んでいる。杉原氏は木と暮らしの工房、柳澤氏は樹(いつき)工房とタッグを組み、本年12月の完成を目指す。

同コンペの第2回は「自由なテーブル」をテーマに募集中。作品提出の締め切りは3月31日(木)まで。2月28日(月)までに事前登録が必要。応募は公式ホームページ(https://www.kagu-higashikawa.jp/)から。

第2回目のコンペの進捗に合わせ、製品化プロジェクトも随時公開される予定だ。