CLTの普及促進に林野庁が助成金。自由度の高い設計も可能に。

CLT

.
国土交通省は、直交集成板(CLT:Cross Laminated Timber)を用いた建築物の普及に向けて、より合理的で自由度の高い設計が可能になるよう建築基準法におけるCLTに関する基準強度について、新たな層構成を追加する告示を公布・施行した。

CLTを用いた建築物は、平成28年に制定された一般的設計法により、個別に大臣認定を受けることなく建築することが可能となっていたが、構造計算に必要なCLTの基準強度のうち、床や屋根に求められる長期の曲げ性能やせん断性能については、使用できる層構成が限られていた。今回の改正により、従来より薄い層構成のCLTが使用できるようになる。

改正により、CLTの積層方向かつ強軸方向について、5層5プライ、5層7プライに加え、3層3プライ、3層4プライを追加。積層方向かつ弱軸方向について、3層3プライ、3層4プライ、7層7プライに加え、5層5プライ、5層7プライが追加された。

プライとは、ラミナ(直交集成板を構成するひき板)を繊維方向を平行にして幅方向に並べたもの。層とは、単一のプライ又は複数のプライを繊維方向を平行に積層したものを指す。

CLT

 

また、林野庁では、建設会社が木材を使った新建材を購入する費用を補助する制度を5月にも始める予定だ。CLTを含むJAS構造材の利用拡大を進めるため、1立方メートルあたり15万円を上限として購入価格分を全額補助する。非住宅が対象で、施工等に関するレポートの提出を求め、今後の施策に役立てる。「川上・川下連携による成長産業化支援対策(平成30年度予算2,481百万円)」の「木材需要の創出・木材産業活性化対策」事業の一環。

北海道内では、全国初のカラマツCLT住宅となる知内町「しりうち地域産業担い手センター」が、4月2日にオープン予定。道内でも、CLTの利用拡大が見込まれている。