キムラ「M&Nコイル」販売開始

ワンタッチで耐久力向上

キムラ(札幌市)は10月1日、M&Nコイル工房(札幌市、旧リホームセンターマエダ)が製造する鉄筋コンクリートの強度を高める「M&Nコイル」の販売を開始した。
M&Nコイルは、M&Nコイル工房と北海道科学大学工学部建築学科・?津研究室との共同研究により開発されたスプリング状の鋼線で、2010年にM&Nコイル工房が特許を取得している。

施工方法は鉄筋に噛むように凹型に成形されたスプリング状の鋼線を、鉄筋の上からワンタッチでかぶせるだけ。17~18坪の基礎であれば職人1人が約1時間で作業を完了する。

実験データによると、ひび割れが起こるまでの強度(剛性)はコイルを使わない場合に比べて4.34倍まで向上するという。鉄筋にコンクリートが絡みつく拘束力が高まり、大きな割れや剥離が起こりにくくなる。
また、構造体や基礎の強度設計への影響が少ないため、図面に記す必要がない。建築基準法のかぶり厚さ規定にも該当しないので手軽に使えるのも魅力。

亜鉛メッキ鋼線タイプとピアノ鋼線タイプの2種類があり、サビに強い高耐久の亜鉛メッキ鋼線タイプなら主筋にサビを発生させる心配がないため、基礎の主筋や人通口回り、ブロック塀、バルコニー下部の出隅など様々な箇所に使用できる。一方、ピアノ鋼線タイプは、サビ加工はされていないものの亜鉛メッキ鋼線タイプに比べ価格を抑えている。

亜鉛メッキ鋼線タイプは、線形2.9㎜×直径65㎜×長さ550㎜。ピアノ鋼線タイプは、線形3.0㎜×65㎜×長さ550㎜。25本箱入り1本の価格(税別)は亜鉛メッキが1600円。ピアノ鋼線は1280円。どちらもコイルの芯を中心からずらすことで深く刺さるように調整した偏芯タイプ。
M&Nコイル工房は10月27日、ZOOMを使ったオンラインセミナーを開催。商品の説明に加え、?津教授が剥離防止アップや初期剛性の研究結果について解説する。参加費無料(定員100名)。
問い合わせ先はキムラ。電話011(742)6903。