パナソニック ソフトバンクの実証実験に協力

IoT宅配ボックスのニーズが急増

パナソニック(大阪府門真市)は8月27日、ソフトバンク(東京都)が2020年度の事業化を目指すIoT宅配ボックスサービスの実証実験に、同社のIoT宅配ボックスを供給すると発表した。

同実証実験は専用のアプリとIoT宅配ボックスを連携するもので、ソフトバンクが自社の社員を対象にIoT宅配ボックスと専用アプリを提供し、システムの実用性や利便性などを検証するもの。期間は9月上旬から11月上旬を予定。ソフトバンクは実験結果を踏まえ、20年度中に定額制のサービス提供を目指す。同サービスは、主に戸建の居住者向けに展開する。

パナソニックが提供する宅配ボックスは置き型タイプで、既存住宅にも手軽に後付けが可能。ホームセンターでも手に入る接着剤を使って、ユーザーがDIY感覚で設置できる。

デジタルキーの先進的な技術を持つビットキー(東京都)と共同開発したもので、専用アプリと無線通信のブルートゥースで接続し、スマートフォンで解錠や配達日時の確認ができる。パナソニックが宅配ボックスを製造し、ビットキーが宅配ボックスを解錠するためのデジタル認証技術を提供する。

パナソニックは業界に先駆けて1992年から宅配ボックスを製造し、販売してきた。自治体や地域社会とともに数々の実証実験も行い、「宅配便の再配達がないまちをつくろう」(16〜17年、福井県あわら市)、「京(みやこ)の再配達を減らそう」(17〜18年、京都市)、「子育て家族の受け取りストレスを減らせ」(18〜19年、東京都世田谷区)などのプロジェクトを実施。いずれも再配達が大幅に減少し、宅配ボックスの有効性を確認している。

新型コロナウイルスの影響でネットショッピングのユーザーが増えるなか、非対面で受け取れ、防犯性や利便性が高いIoT宅配ボックスの需要がますます高まっている。パナソニックリビングショウルーム札幌でも、「緊急事態宣言以降、ショウルームにお越しいただいたお客様にIoT宅配ボックスを提案することが増えた」(北海道住建営業部)という。

今後の展開として、「近年の共同住宅では宅配ボックスがあるのは当たり前になっている。これからは戸建住宅でも標準設置を目指し、新築やリフォームの設計段階から採用されるように提案していきたい」(同)と話す。

問い合わせ先は同社ハウジングシステム事業部北海道住建営業部。
電話011(736)0340。