全木連 JAS構造材利用拡大事業

調達費最大3000万円を助成

(一社)全国木材組合連合会(全木連)は、令和2年度「JAS構造材利用拡大事業」の申請受付けを3月31日から開始した。JAS構造材の調達費を最大3000万円助成する。
対象になる建築物は、施主が国でない戸建住宅を除く建築物。延べ床面積が10㎡を超え、指定する部位でJAS構造材を使用することが要件。今年度からの変更点として、新たに集合住宅が対象になった。対象となるかは実際の建物の階数で判断し、産業用途をもたない3階建の戸建住宅は対象外。
同事業は、JAS構造材活用拡大宣言事業とJAS構造材個別実証支援事業の2つの事業で構成されている。
JAS構造材活用拡大宣言事業は、JAS構造材の活用に積極的な企業を「見える化」することで、市場の活性化を図るのが目的。
全木連に宣言を行う事業者として登録した後、自社のホームページなどに掲載できる。登録は2021年3月27日(土)まで受け付ける。
JAS構造材個別実証支援事業は、活用宣言で登録された施工者による実証。低層建築物の木造化を推進し、JAS構造材の継続的な利用を促す。事業申請(エントリー)と助成金交付申請の2つの申請が可能。
助成金交付を申請した場合、指定する構造部位にJAS構造材を使用し、材積に平米単価を乗じた金額または実際の調達価格のうち低い方を助成する。また、JAS構造材の使用量に応じて、その他林産物JASの調達費も助成する。
同事業では、①機械等級区分構造用製材(機械等級製材)②枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材(2×4製材)③直交集成板(CLT)④中断面以上の構造用集成材⑤構造用単板積層板(構造用LVL)――の5つをJAS構造材と定義している。
助成金の例として、3階建の産業用戸建住宅の場合、JAS構造材を構造部に使用している非住宅の階について1㎥あたり5万円。4階建以上の場合はJAS構造材を使っていない階の数を除いた残りの階の数のうち、最上階から数えて3つ下の階(4階建の場合は1階)以下の階について1㎥あたり10万円を助成する。
CLTは階数に関係なく1㎥あたり14万円。
その他林産物JASは計画調達費または実際調達費の2分の1のうち低い金額を助成する。
助成金の上限額は1件あたり1500万円。4階以上、延べ床面積1000㎡以上の場合は1件あたり3000万円。
同事業に申請できるのは、①JAS構造材活用拡大宣言に登録②建築確認申請または建築工事届で施工者と確認できる、またはその事業者から申請する権利を委譲された③建築工事または大工工事業の許可を受けている――の全ての要件を満たす事業者。また、申請数が3件以上の事業者はクリーンウッド法に基づく登録木材関連事業者であることも要件。
事業エントリーの受付は6月30日(火)まで。補助金の交付申請受付は8月31日(月)まで。予算の状況に応じて二次募集が行われる予定。
申込み、問い合わせ先は北海道木材産業協同組合連合会。電話011(251)0683。