シリーズ「減りゆく宅地開発」⑤苫小牧市

大規模宅地は沼ノ端に集中

道内の主要都市の宅地開発状況をまとめるシリーズ。5回目は苫小牧市。
同市内の宅地開発は、大東開発(苫小牧市)が2019年2月20日に開発許可を得て造成した弥生町1丁目の85区画を最後に、ほぼ1年間行われていない。
過去10年間に苫小牧市から開発許可を得た宅地の合計は23件、1328区画。
開発許可件数が最も多かったのは10年度の6件で、11年度以降は全て3件以下。1件あたりの最多区画数は、18年2月に大東開発が許可を得た沼ノ端中央1丁目の146区画。次いで10年5月の同社の字沼ノ端の142区画。10年間で100区画を超えたのは、この2件を含め4件。全て沼ノ端地区で開発されており、大規模宅地が市内の東部エリアに集中したことがわかる。
開発者の内訳は、大東開発が5件で最も多く、苫小牧港開発(苫小牧市)が4件、大鎮キムラ建設(同)3件など。
道の5歳階級別人口統計によると、19年1月1日現在の同市の人口(17万1811人)に占める30~39歳の割合は11.8%で、人口10万人以上の9市の中では札幌市(12.5%)に次いで多い。マイホーム需要層の最大ボリュームゾーンである30歳代の多くが土地を所有していないことから、ハウスメーカーや工務店にとっては今後も土地の取得が受注を増やす鍵となりそうだ。