アルヴァ・アアルトの世界観

「建築を人間的にする」

フィンランド出身で、20世紀を代表する世界的な建築家・デザイナーであるアルヴァ・アアルト。数多くの歴史に残る名作を作り、北欧モダニズムの礎を築きあげた。北海道の建築においても学ぶところの多い巨匠の足跡を辿り、その世界観に触れてみよう。

アアルトは、生涯で個人住宅から公共建築まで200以上もの建物を設計した。どれもが周囲の環境を生かした自然とのつながりを意識している。産業革命がもたらした合理的で機能的な近代建築の全盛期にあって、木材やレンガを好んで使い、自然の造形にならった曲線を取り入れるなど有機的なデザインで当時の建築と一線を画した。彼の作品が時を超えて愛されるのは、人間味あふれる暖かさに満ちていたからである。「建築を人間的にする」とアアルトは語った。

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