田中康道弁護士に聞く 住宅・建築法務知識いろいろ①

契約の成立と契約書作成の意義

契約は原則として、申込みと承諾の意思表示の合致のみによって成立します。契約の成立には口頭での意思表示の合致があれば足り、必ずしも契約書の取り交わしまでは必要ではありません。常に契約書の取り交わしまで要求すれば煩雑になり、円滑な取引きを阻害すると考えられるためです。しかし、実際上は契約書がないと契約の成立を巡ってトラブルになる場合が多くなります。こじれて裁判を起こしても、契約書がない以上、契約締結時や契約締結前後の状況によって契約の成立を立証する他なく、難しい立証を強いられることになります。

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