寸言乱言(第677号)

今年のプロ野球もいよいよ終幕が近づいた。西武の松井、中日の岩瀬、巨人の杉内など、現役引退を決めた選手も多い。いずれもピーク時には様々な記録を打ち立てた一流選手たちである。

人はいつ引き際を決めるのだろう。杉内投手の「後輩を応援したくなった」という一言は、勝負の世界でモチベーションを維持することの難しさを物語る一方で、若手に後進を譲ることへの安心感が読み取れる。

さて、住宅業界を振り返ると、多くの経営者が後継者難に悩んでいる。帝国データバンクの調査によると、道内企業の74%が後継者不在で、不在率は全国9地域で最も高い。業種別では「建設業」が75・2%で「サービス業」「不動産業」に次いで高い。

住宅産業は「クレーム産業」と言われ、少子高齢化、人口減少など将来に向けて明るい材料が少ないことも事業承継を難しくしている要因だが、まずは跡継ぎを育てることから始めたい。