国交省「ライフサイクルカーボン評価制度」を創設
国土交通省は3月27日、「建築物のエネルギー消費性能向上などに関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定されたと発表した。国内の温室効果ガス排出量の約4割を建築分野が占めている現状を踏まえ、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すことが目的である。
今回の改正では、これまでの建築物使用時の省エネ性能に加え、資材の製造、施工、解体といったライフサイクル全体での脱炭素化を促す「ライフサイクルカーボン評価制度」が創設される。国が評価指針を策定し、建築主には評価の実施を努力義務として課す。とくに特定の用途で一定規模以上の建築物を新築する際には、着工の14日前までに評価結果を国土交通大臣へ届け出ることが義務づけられる。あわせて、算定ルールに従った建築材料に炭素排出量の原単位を表示できる仕組みも整える。
また、先導的な省エネ技術の普及を後押しするため、自然換気システムなどの特殊な設備を用いる建築物に対し、国土交通大臣が誘導基準と同等の性能を個別に認定する制度を設ける。認定を受けた建築物は、容積率の特例などの優遇措置を受けられるようになる。
住宅供給事業者に対しては、市場の概ね4分の1を占める大手企業を「上位住宅トップランナー」に指定し、高い省エネ性能の維持に向けた中長期的な計画策定と毎年度の報告を義務づける。
さらに、環境性能の「見える化」として、第三者機関の認証を受けた標章を広告などに表示できる制度も創設される。
法律名は「建築物のエネルギー消費性能の向上及び脱炭素化の促進に関する法律」に改められる予定だ。制度の施行は、大臣認定に関する規定が公布後1年以内、評価制度などの主要項目は2年以内としている。
