寸言乱言(第671号)

働き方改革法案が成立した。法案の骨子の一つが「長時間労働の是正」である。モーレツ社員、会社人間などの流行語が懐かしい年代にとっては、自らの働き方を「改革」されることに違和感を覚える方も多いだろう。

企業の採用面接では、「休みは何日いただけますか」と聞く学生が増えたという。給料より休日を望む昨今の若者気質に時代の流れを感じざるを得ない。

さて、わが住宅業界では、職人たちが土日返上で働く建築現場も多い。ところで、請負契約に基づく一人親方などは雇用された労働者でないため法案の対象にならないことをご存じだろうか。

職人を社員として雇用すべきとの議論は日増しに高まっている。ある工務店は「元請から『近々、職人にも社会保険を掛けてもらう』と通知されたという。

一方で、働き方改革は、雇用している職人さえも請負契約に切り替える動きを促す結果につながりかねない。(G)