建築性能試験センター構造セミナー
能登半島地震の被害調査を報告
2024/12/15
(地独)北海道立総合研究機構(道総研)建築研究本部・建築性能試験センターはこのほど、設計者を対象とした2024年度「構造セミナー」を道民活動センターかでる2・7(札幌市中央区北2条西7丁目)で開いた。
■法改正のポイント
前半は「25年度法改正のポイント」と題して、来年4月から施行される4号特例縮小などの制度変更について同センター安全性能部の職員が解説。既出の情報を整理しつつ、とくに見落とされがちなポイントをクローズアップして注意を促した。
見直される必要壁量や柱の小径の算定方法については、改正法では積雪荷重が含まれておらず、道などが独自に条例で規定しようと検討を進めている現状を説明。新たな基準に対応して必要壁量や柱の小径を求める早見表や表計算ツールの使い方を紹介し、これらも道が積雪荷重を考慮した独自のツールを検討していると補足した。
その他、準耐力壁の規定や階高3.2mを超える場合の壁倍率の低減、筋交い規制の見直し、確認申請図書の作成や申請手続きを支援するサポートセンターの設置などについて改めて周知を図った。
■地震の被害を調査
セミナー後半は同センターと北方建築総合研究所(北総研)が2月と7月の2回にわたって行った能登半島地震の被害調査について報告。瓦屋根と土壁の古い住宅、店舗併用住宅などの被害の様子の写真をスライドで投影しながら紹介した。
いずれも1階部分が完全に潰れて倒壊、または大きく変形して隣家を圧迫したり、細い生活道路をふさいだりしている甚大な被害が見て取れた。
倒壊した古い家屋に束基礎やブロック基礎の施工不良が見られるもの、木部の腐朽やシロアリの被害が見られるものもあり、被害を拡大させる一因となったこともうかがえた。
一方で、近隣の古い木造住宅がすべて倒壊している中、内部を耐震補強した築150年の木造住宅がほぼ被害なく残っている写真も示し、地震対策の有効性と必要性を強調した。
RC造やRC+S造の建築物の被害の様子も写真で報告。RC7階建ビルの倒壊、建物全体の沈下・傾斜、非構造壁のひび割れ・せん断、鉄骨の曲げ降伏や座屈、アンカーボルトの破断など、大地震の威力がうかがえる写真の数々が紹介された。

