ソトダン21研修会 JBN副会長が講演
2025年のリスク対策を考える
2024/6/30
外張断熱工法を採用する道内の工務店グループ、ソトダン21(髙橋広明会長)は5月28日、「2024年度総会+オープンセミナー」を札幌市内のホテルで開催した。
セミナーでは岡庭建設(東京都)専務取締役、(一社)JBN・全国工務店協会副会長の池田浩和氏が講師を務めたほか、北海道科学大建築学科准教授の平川秀樹氏による「ソトダンプラス」の改修実績報告、賛助会員の情報提供などが行われた。
建築確認審査マニュアルを理解する
池田氏は「2025年に向けて地域ビルダーはどう備えるべきか?」と題して講義を行い、「分かっているようで分かっていないのがやはり4号見直し」として、制度変更で具体的に必要になると考えられる実務について解説をした。
国土交通省が昨年10月より頒布する「2階建て住宅(軸組工法)等の確認申請・審査マニュアル」が基準になると述べ、「審査機関も同マニュアルにある項目に照らして図書の内容の不備を指摘してくるだろう」と言及。同マニュアルには確認申請図書に記載するべき事項がチェックリスト形式でまとめられており、「社内で必要図書を作成する際のチェックリストとしてそのまま活用できる」と話した。
池田氏は、確認申請図書の作成例として同マニュアルのなかに屋根や外壁の構造詳細図が掲載されているため、「実際には求められない場合もあるだろうが『マニュアルに掲載されているから必要だ』と指摘してくる審査機関が出る可能性は高いだろう」と予想した。
さらに、指定建築材料のJIS・JASへの適合がマニュアルに明記されており、「基礎の鉄筋コンクリートのJISなどへの適合証明が必要になる。つまり今後は、コンクリート試験が必須になるのではないか」と考えを述べ、試験を含めたスケジュール管理の必要性や、ミルシート、コンクリート配合表などの証明書の提出を求められる可能性があるとした。
池田氏は「マニュアルに載っている資料はすべて用意し、とにかく書類と写真は多めに残す。何か不足となると確認済証が出ないことにもなりかねない」と注意を呼びかけた。
■大規模修繕の行方
既存住宅について、大規模修繕や大規模の模様替えは確認申請が必要になるが、「大規模」の定義である「過半(2分の1以上)」について、国土交通省が2月8日に通達した「屋根及び外壁の改修に関する建築基準法上の取扱いについて」のなかで技術的助言がまとめられている。
屋根は野地板を2分の1改修すると大規模修繕に、外壁は、柱、梁、耐力壁を2分の1改修すると大規模修繕にあたるとされた。
反対に、①屋根ふき材をすべて替える②屋根の断熱材をすべて替える③カバー工法で屋根全面を改修する④外壁の外装材のみ全面張り替え⑤外壁のカバー工法改修⑥断熱材をすべて替える――これらは確認申請の対象にならない。
現在まだ助言を検討中なのが階段の扱いだ。
階段は基本的に過半部分の改修となることが多いため、ほとんどの場合は確認申請の対象となる。
そのほかに注意が必要なのが、防火地域、準防火地域での改修だ。
「大規模の修繕・模様替えに係る部分以外の部分の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に20分間防火設備を設けること(施行令第137条の125項)」とあり、池田氏は「つまり、準防火地域や防火地域でリノベーションするときは、階段一つの改修でも窓の防火が一緒に審査されるということ」と注意を呼び掛けた。
■審査期間が長くなる
建築主事は、確認申請を受理した日から1~3号建築物は35日以内、4号建築物は7日以内に審査するよう定められている(法第6条第4項・第12項)が、改正によって新2号建築物となる現在の4号建築物も審査期間が最大35日間になる。
池田氏は「日数規定がない民間審査機関の方が早いだろうが、とにかく何が起きるかわからない。審査が停滞し、着工したいのにできない、補助金が下りないなどいろいろなことが起こり得る。施主にも、考えられるリスクの早期説明をしっかりとしておいた方がいい」と事前準備の必要性を訴えた。

