ミサワホーム総合研究所が調査

「これからの時代に求められる住まいのあり方」

ミサワホーム総合研究所フューチャーデザインセンターは5月20日、「次世代を育てる住まいの提案(2022年版)」を公表。

住まいづくりの変化点として以下の3点をあげた。

① 子ども中心の住まいから、住まい手全員が主役になる住まいへ
②専用空間から多用途空間へ
③その時の気分や状況に合わせて空間を使い分ける

その上で、成長段階に合わせた家族相互の対話による「学び」「成長」と「働く」ことを続けられる「住まいのガイドラインホームコモンズ設計2.0」としてまとめた。

上記3つの変化点は同センターが昨年実施した、「生活者の意識変化調査」(期間は3月31日~4月8日、2年以内の戸建購入を検討している773人を対象)、「コロナ罹患家族調査」(期間は11月30日~12月4日、新型コロナウイルスに自身や家族が罹患し同居状態で自宅療養した1040名を対象)の2つのアンケートをもとにしている。

そのアンケート調査によると、コロナ前と比べて住環境の関心度に変化があった人の「関心の高くなった項目(複数回答可)」は「自分の住まい(家)」が93.2%で最も高かった。

また、「コロナ後の一年間で住まいに対する重要度の変化」を聞くと、「とても高くなった」が 42.2%、「やや高くなった」が 36.2% 。合わせると約8割が住まいの重要度が上がったと回答。

「現在の住まいで解決しないといけない問題点」については、「面積の広さ」が51.9%で最も多く、「収納スペース」(46.3%)、「水回りの設備」(42.8%) 、「間取りやゾーニング」(42.6%)が続いた。

その中で最も大きな問題点を聞いたところ、「面積の広さ」が21.6%、「収納の多さ」は12.8%、「間取りやゾーニング」は12.4%の順となった。この3項目を子どもの末子年齢別で比較すると「末子が乳児、幼児」の回答者が多いが、子どもの成長に合わせて問題と感じる割合が変化している。

「今後の住まいで重視する点」は、「間取り・ゾーニング」が最も多く58.5%、次いで「建物の耐震性」57.4%、「収納」51.7%。

間取り・ゾーニングを重視すると回答した人に「間取りやゾーニングで重視する点」を聞いたところ、間取りについては「リビング」(87.8%)、ついで「ダイニング」(65.7%)、「寝室」(45.1%)の順となった。

一方、ゾーニングについては、「仕事ができる場所(コーナーなど部屋の一部)」が29.6%で最多となり、ついで「安心して置き配できるスペース」、「仕事専用の部屋」がともに27.2%、「ウイルスや花粉を除去したり消毒できるスペース」23.9%、「罹患時に隔離できる部屋」23.2%。

同センターの調査により、生活者の意識変化、現在の住宅課題が明らかになった。