道「北海道森林づくり基本計画」を策定

長期的視野で道産材活用を推進

道は2022年度からスタートする「北海道森林づくり基本計画」を策定した。本計画は「北海道総合計画」に沿った特定分野別計画で、「北海道森林づくり条例」に基づき100年先を見据えた森林づくりの推進が目的。

「地域の特性に応じた森林づくり」「林業及び木材産業の健全な発展」「道民との協働による森林づくり」の三つの基本理念のもと、今後20年程度を見通して2041年までに以下の数値目標を掲げている。

①森林づくりに伴い産出されて利用される木材を540万㎥へ増加(19年時446万㎥)
②育成複層林を953千haへ拡大(同762千ha)
③木育に取り組む道民の割合を80%に引き上げ(21年時36%)

 

目標実現に向けて以下の7つの重点的な取組みを行う。

①ゼロカーボン北海道の実現に向けた活力ある森林づくり。市町村等と連携して手入れが行われていない森林整備の実施や、コンテナ苗や林業機械などを活用した低コストで済む植林を行う。

②広葉樹資源の育成と有効活用。日用品や家具などの身近な用途での使用事例をPRすることや、森林の現況に応じた人工林の針広混交林化や広葉樹天然林の育成などを行う。

③道産トドマツ建築材の安定供給体制の強化。プレカット工場と製材工場のマッチング支援や、乾燥施設などの整備支援など、道産材を道内で活用できる環境作りを行う。

④森林づくりを担う人材の確保。労働安全衛生の確保や、北森カレッジでの実践的な教育、林業事業体の経営体質の強化などを行い、造林や種苗分野での担い手を確保する。

⑤スマート林業による効率的な施業の推進。ICTハーベスタによる効率的な原木供給体制の実証と普及、ドローンでの苗木運搬や造林機械遠隔化等を行う。

⑥HOKKAIDO WOODブランドの浸透などによる道産木材の需要拡大。ゼロカーボンへの貢献度などを数値化し、施主や工務店等へのPR、研究機関等と連携した土木分野での利用などを行う。

⑦木育マイスターや企業などによる木育活動の推進。環境保全に関心のある企業等に対する森林づくりへの参加やイベント開催などの積極的な働きかけなどを行う。

また、道は同計画の推進と並行して「道有林基本計画」を策定。多様で先導的な森林づくりと資源や技術力を活用した地域貢献を目標に掲げ、2031年までの方針を示した。