矢野経済研究所 屋根材市場を調査

矢野経済研究所(東京都)は10月21日、国内屋根材市場の調査による素材別の製品動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

2019 年度の国内屋根材市場規模は1億1548万㎡(前年度比101.3%)。東京オリンピック・パラリンピック関連施設(競技場、宿泊施設、店舗等)や公共施設の改修工事、日本各地での自然災害による復旧需要によって既築向けの需要が増加した。屋根材市場は、金属屋根の主要用途である倉庫の建築着工や新設住宅着工に依存度が高く、今後もこれらの新設着工に連動して推移するとみる。

2019年度の屋根材市場における素材別シェアは金属 64.1%、粘土瓦 14.7%、セメント系瓦 14.2%、シングル材 3.9%、石粒付金属 3.1%。

2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による建築着工の減少に伴い、市場全体が縮小すると予測。特に新築需要が中心である粘土瓦、化粧スレート、シングル材は厳しい環境下となるとの見方。一方、2018年度から2019 年度に日本各地で発生した自然災害を背景にした軽量化ニーズの高まりやEC(電子商取引)市場の拡大を背景とした物流施設の新設需要が増加しているため、金属屋根材の需要増が期待できることから市場規模の縮小幅は軽微に留まるものとみる。

また、戸建住宅のリフォーム事業者が、新型コロナウイルスの感染リスクが懸念される居住空間内リフォームよりも比較的感染リスクの低い外装リフォームに注力する動きがあることから市場の押し上げが期待できる。