寸言乱言(第686号)

今年も転勤シーズンがやってきた。本州系企業のサラリーマンにとっては年中行事の一つだが、昨春から大きな問題が浮かび上がってきた。「引っ越し難民」である。

トラック業界のドライバー不足はますます深刻化しており、今春も引っ越し業者が希望の日時に応じられないケースが多発しそうだ。「転勤シーズンの料金は通常の2倍以上」(大手建材メーカー)という話も聞こえてくる。

国土交通省も事態を重く見て、業界団体への聞き取り調査をもとに「引っ越し予約状況カレンダー」をホームページに掲載し、引っ越し日の分散を呼び掛けている。それによると、4月8日以降は「やや空きがある」となっている。しかし、企業の人事異動は大半が4月1日付である。もちろん、引っ越しが完了してから着任というわけにはいかない。

今年も引っ越し業者が手配できず、「着任したもののホテル暮らし」という「難民」が増えそうな気配が濃い。