《特集》住宅会社のリフォーム手法④ ラインエス(北広島市)

タイアップイベントで集客


互いに成長できる集団に


ラインエス(北広島市)


ラインエスは給排水の設備工事会社としてスタートし、現在は建築工事を含めたリフォーム全般を扱っている。20年以上前からTOTOリモデルクラブ店となり、リモデルクラブ札幌店会にも発足当初から加入。現在、同社の斉藤重継社長が札幌店会の会長を務める。
■あんしん品質を強化

札幌店会は毎月、TOTO(北九州市)、大建工業(大阪市)、YKK AP(東京都)のTDY3社のサポートの下で定例会や研修会を開き、施工技術や顧客への提案・対応などの「あんしん品質」強化を目指している。さらに店会メンバー会議も月1回行い、新商品情報の確認や法改正、補助金への対応など、自主的な勉強の機会を設けている。昨年は年間計画の中でアスベスト規制に関する研修も行った。
こうした活動はコロナ禍の最中もオンラインで継続してきた。地域に信頼できるリフォーム店のネットワークを広げ、ユーザーに安心を提供することでリフォーム市場の活性化につなげる「あんしんリモデル戦略」の根幹を成す部分だ。
■店会活動のメリット

店会活動について斉藤社長は三つのメリットを強調する。一つはTDY札幌コラボレーションショールーム内にメンバーの施工事例パネルを展示できること。さらに同ショールームで年に1、2回、店会合同イベントを開き、集客と成約、単価の向上を図ることができる。
もう一つは研修でTDYの新商品情報などをいち早く入手でき、他社に先駆けてスキルアップが図れること。斉藤氏は「自分たちで集客し、リモデル戦略を通して売り上げ拡大につなげていくことが目的」と活動の意義を語る。
今年も5月18、19の2日間、ショールームでのイベントを予定しており、国の住宅省エネ2024キャンペーン補助金をPRして売り上げアップを図る。コロナ禍以降は予約制のイベントとなったが、そのおかげで成約率は大きく向上した。ショールームの活用による単価アップ効果も期待できる。
リフォーム業界も今後さらに人手不足の深刻化が予想されるだけに、効率的な集客と1件あたりの単価の向上は今後の生き残りの鍵を握る。
■信頼を積み重ねる

TDYリモデルスマイル作品コンテストの受賞事例

斉藤氏は「原点回帰」として地域密着の重要性に目を向ける。北広島エリアではユーザーが札幌からリフォーム業者を呼ぶことも多いが、コロナ禍を通じて「顔の見える地元の業者に頼みたい」と希望するユーザーが増えているという。
商圏が小さければ少人数でも効率よく現場を回れる。アフターもスピーディーに対応でき、顧客からの好感度が高まる。大手のようにブランド力で最初から高単価の顧客層を狙った集客ではなく、草の根の仕事を丁寧に仕上げる。「小さな修繕の仕事が中心だが、それをこつこつ続けて信頼を積み重ねることで紹介も増え、だんだん単価の高い仕事につながるようになる」。
今年度は札幌店会のメンバー拡大も見据え、札幌周辺のリモデルクラブ店に働きかけていく。斉藤氏は「メーカーに依存するのではなく、主体的に活動して互いに成長していけるような集団を目指す」と力を込める。