グッドデザイン賞2022 道内は2建築

(公財)日本デザイン振興会は10月7日、「グッドデザイン賞」の2022年度受賞作品を発表した。5715件の審査対象の中から1560件が選ばれた。道内は16件が受賞し、そのうち2件が建築に対して贈られた。戸建住宅の受賞はなかった。

建築では竹中工務店(大阪市)が札幌市に設計施工した「北海道地区FMセンター」が選ばれた。

北海道地区FMセンターは、脱炭素社会の非住宅分野の建築における木材利用を推進することを目的とした。道内の工場で加工できる小断面流通材(120角)の道産材(カラマツ)を用い、柱、梁、筋交いを二重化することで3.64×4.55mのスパンを実現するダブルティンバー(特許申請中)を開発。大断面集成材工場が道内にないという課題を克服した。寒帯気候に適合した道内トップクラスの環境性能を持つことに加え、働く人の健康増進や生産性向上にも貢献。

同賞の審査委員は「木材廃棄物の活用として様々な循環の仕組みを採用し建築業界における循環型経済への試みの手本となる事例として評価した」とコメントした。

このほか道内で倉庫業や不動産業などを営む橋谷(神戸市)の古いレンガ造の貸別荘 「プレデラメール」が受賞。

同社が函館市に所有し、長年未使用だった煉瓦倉庫を貸別荘にリノベーションした。デザインと設計、家具デザイン、照明プランは、インテリア・グラフィックデザイナーの木村英樹氏が行った。

今年度を代表する「グッドデザイン大賞」(1件)は、11月1日(火)に発表する。