2023年 職場の熱中症死 建設業が全体の約4割

厚生労働省はこのほど、2023年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)をとりまとめ公表した。

2023年の職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は1106人で、前年比279人(33.7%)増だった。業種別に見ると、最も多いのが製造業の231人で前年比86人(59.3%)増、次いで建設業が209人で、前年比30人(16.8%)増だった。

また、熱中症による死亡者数は31人で前年比1人(3.3%)増。このうち、建設業は12人で最多だった。前年比2人(14.3%)減だったものの、依然、全体の約4割を占めている。製造業は4人で前年比2人(2倍)増だった。

死亡災害では多くの事例で暑熱環境によるストレス評価を行う暑さ指数(WBGT)を把握せず、熱中症予防のための労働衛生教育を行っていなかったと同省は指摘する。また、糖尿病、高血圧症など熱中症の発症に影響を及ぼすおそれのある疾病を有している事例もあったと報告している。

作業場においては①厚さ指数(WBGT)の把握と、その値に応じた熱中症予防対策を適切に実施する②作業監理者、および労働者に対してあらかじめ労働衛生教育を行う③糖尿病、高血圧症など熱中症の発症に影響をおよぼすおそれのある疾病を有する者に対して、医師の意見を踏まえた配慮を行うなど、対策を講じるよう呼び掛けている。

同省が推進する「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の案内、チェックリストは以下URL。
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001100768.pdf