住宅用太陽光パネルのリサイクル意向4割未満 国立環境研究所が調査

国立環境研究所は、住宅用太陽光パネルの設置世帯においてリユースやリサイクルを行う意向が強い世帯は全体の40%に満たないことが判明した調査・分析結果を公表した。

同研究所資源循環領域の山本悠久特別研究員らの研究チームによるもの。太陽光発電に用いられる太陽光パネルは20年程度で寿命を迎えると考えられており、最大年間50万トンとも推定される大量の使用済太陽光パネルの発生による廃棄物処理への影響が懸念されている。太陽光パネルのリサイクル等促進には、所有者自身がリユース、リサイクルされる方法で排出することが重要となる。

同研究では、パネルの所有者がどの程度リユースやリサイクルを選択する可能性があるのか、また促進・抑制要因は何かを把握することを目的とした。

自宅に太陽光パネルを設置している全国553世帯を対象にWEBアンケート(2023年3月時点)を行い、太陽光パネルの設置理由、パネルの排出時の処理業者の選択方法や重視する項目などについて調査した。

結果、リユースやリサイクルを行う意向が強いと分類された回答者の割合は32~38%にとどまった。現状では、60%以上の消費者がリサイクル等に消極的で自然に選択していく状況ではないことが判明した。

一方、今回の分析からパネルの撤去や廃棄に関する情報に触れた経験や、日ごろの検査・メンテナンスへの関心の高さが、リサイクル意向の強さと連動していることも判明した。適切な情報提供や検査・メンテナンスの実施によってリユースやリサイクルを促進できる可能性がある。

今後の展望として研究チームは、太陽光パネルのリユースやリサイクルを進めるためには、技術開発に加えて、所有者の実際の行動を促す仕組み作りが必要不可欠であると指摘。今回明らかになった促進・抑制要因を参考に、所有者の低調な意向や行動を改善し、太陽光パネルのリユースやリサイクルを促進する対策を実施することが必要であるとした。